おはようございます、Jayです。
“似たような意味の単語だけど使い方によっては相手への伝わり方が大きく変わる”というのがありますね。
もちろん英語にもあり、今朝はそのうちの一組を取り上げたいと思います。
全仏オープン女子ダブルスにて不注意でボールガールにボールを当てたとして失格処分を受け、その時に大会責任者に映像で確認を求めたら「ビデオを見ることはできない。アンラッキーだったね。」と返されたそうです。
ちなみにこの大会責任者は世界1位にもなった事ある元プロテニスプレーヤーのアメリ・モレスモさんです。(杉山愛さんと現役時代が被っています)
「アンラッキー」(unlucky)と聞くと無責任というかどこか見放されたような感じがしませんか?
英語ネイティブじゃないからその単語を選んだのかもしれませんが、“unlucky”ではなく“unfortunate”を使うべき場面でしたね。
今朝はこの日本語で「不運な・残念な」を意味する“unlucky”と“unfortunate”の違いについてです。
“unlucky”(アンラッキー):「不運な」という意味で語源はドイツ語
例:
“It was unlucky for Shohei Ohtani that he got HBP(Hit By Pitch) by Greg Maddux.”
「大谷選手がグレッグ・マダックス投手から死球を受けたのは不運でしたね。」
“unfortunate”(アンフォーチャナットゥ):「不運な・残念な」という意味で語源はラテン語
例:
“I'm sure she didn't do intentionally. It was an unfortunate accident.”
「もちろん彼女はわざとやったわけではないと思う。あれは不運な/残念な事故だった。」
どちらも「不運な」という意味があるように、たいていはどちらを使っても問題ありません。
ですので上記の例文達にもう一方の単語に入れ替えても文は成り立ちます。
ではなぜ加藤選手に対しては“unfortunate”を使うべきだったのでしょうか?
“unfortunate”は運が悪かったという以外に「残念な」という“その相手に同情したり気の毒に思う”というニュアンスが含まれています。
あとはその人の力ではどうする事も出来ない状況という意味合いの時もあります。
つまりモレスモさんは“unlucky”だと加藤選手に「運がなかったね。」と冷たくあしらった感じになり、“unfortunate”なら「(同情を表しつつ)残念だったね。」と相手の立場によりそった表現となっていました。
“でも運営責任者なら自身の権限でビデオ判定させるなり出来たのでは?”
残念ながら(unfortunately)当時は出来ません。
今はテニスでもビデオ判定が普通に行われていますが、全仏オープンはありません。
なぜなら全仏オープンはクレーコート(土)なので、ボールを打つと跡が残り目視確認が出来るからです。(ハードコートや芝コートは目でハッキリわかるような跡がつかない)
ただし今回のような事がまた起きるかもしれないのでビデオで確認できるシステムの構築は必要だと思います。
いずれにせよ、こういうったちょっと単語や表現の違いでニュアンスが大きく変わる事ってあります。
広島カープなどで活躍された黒田博樹のヤンキース時代の事を思い出しました。
審判のボール判定に疑問を呈したら「たかが1球だろう」と言われてそれに怒ったそうです。(詳しくは“スポニチ”の記事をご覧ください)
たしかに一生懸命頑張っているのにそう言われて怒るのはわかりますが、私はこれは黒田さんの聞き間違いで、審判は「ちょっとだけボール」と言ったのではないかなと思います。
「たかが1球だろう」=“It's just a ball.”
「ちょっとだけボール」=“It's just ball.”
“a ball”の“ball”は名詞として使われていて「球」を表すので、“a ball”は「1球」となります。
2つ目の“ball”は形容詞として使われていて判定の「ボール」という意味です。
そして“just”は文脈によって「たかだか」や「ちょっと」など意味が変わります。
いかがでしたでしょうか。
またこういったニュアンスの違いなどを書いていければなと思います。
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