こんばんは、Jayです。
昨夜、“THE突破ファイル”(日テレ)をやっていました。
この番組は、ピンチに陥った人達がどうやってその状況を突破していったかを紹介する番組です。
昨日の番組内でアメリカの事件をやっていて、その再現ドラマ内で言っていた英語を英語字幕で表していた場面があったのですが、二つほど惜しかったのがあるのでご紹介します。
ちなみにケイン・コスギさん、アイクぬわらさん、パトリック・ハーランさんが警察官役で出ていて日本語と英語を交えて演技していました。
まず簡単にどんな事件だったか説明。
アイクさんとケインさんが犯人とカーチェイスしてパトリックさんは上空でヘリからサポート。
犯人の車は線路に乗り上げて動かなくなって、近づいてくる電車をどうにか止めさせて衝突を避けるお話。
1. “Listen, I'm tell you the stop the car!”
カーチェイスでアイクさんが「聞け、止まれと言っているだろ!」を英語で言っていたのですが、字幕は“Listen, I'm tell you the stop the car!”。
これでは「聞け、私はtell you the stop the carです!」となります。(;^ω^)
彼が言っていたのは“Listen, I'm telling you to stop the car!”です。
“I”が来て動詞が“tell”になる時は“I tell 〇〇”か“I will 〇〇”などです。
“am”が来て“tell”は文法的におかしいです。
あり得るのは“I am telling 〇〇”(私は〇〇と言っている)か“I am told 〇〇”(私は〇〇と言われた)。
そして状況的に“telling”が適しているのかわかると思います。
次に“to”を“the”と聞き間違えた事。
これは何となく聞き間違えた理由がわかります。
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、“the”は二つの発音があります。
“the"の次の発音が子音からなら「ダ(ザ)」で母音なら「ディ(ジ)」。
そして“stop”は子音から始まるので、もし“the stop”なら「ダ・ストップ」と言うでしょう。
“to”の発音は「トゥー」ですが、喋っている時に「タ」の発音になる時があります。
日本語で「店員」を「てんいん」と言わずに「ていいん」と言う人がいるように、英語でも流れでより発音しやいように言うのが理由です。
ですので字幕を制作していた人はおそらく聴いていた時に「タ」と聞こえたので一番発音が近い“the”としたのでしょう。
2:“I want you to bring the helicopter round”
これは列車に事故車がいる事を知らせるために地上にいるケインさんがヘリのパトリックさんに指示を出した時の会話です。
これでは「あなたにヘリコプターを輪っかにしてもらいたいです。」です。
“bring”は「持ってくる」という意味が一般的ですが、「〇〇の状態にさせる」という意味もあります。
そして“round”は「輪っか」や「丸い」という意味なので、上記の英文では「ヘリを輪っかにしてもらいたい」という何とも超人的な要求になってしまいます。( ̄▽ ̄;)
正しくは“I want you to bring the helicopter around.”
“around”は「周囲に」という意味もありますが、「回って(旋回して)」という意味もあります。
その先は字幕になっていなかったのですが、彼がその先に言っていたのは
“ Use the light and hit the car. That should get their attention.”
「ライトで車を照らして。それで向こうも(事故車に)気付くでしょう。」
なので“I want you to bring the helicopter around.”は「ヘリコプターを旋回させてください。」です。
実際にその作戦で列車が車に気づき手前で止められて良かったのですが、メンバーを見てわかるように所々面白おかしく描かれていました。
スタジオで観ていた人達は「アメリカンジョーク」と言っていました(残念ながら大半は違った)のでぜひやって欲しかった事があります。
それは最初に列車の車両にライトを照らす事。
列車の「車両」も実は“car”と言います。
ですので“Use the light and hit the car.”と言われた時に列車の方を照らして、“No, the other car!”(違う、そっちの車両じゃないよ!)とやってもらいたかったですw
お時間大丈夫ですか?
字幕ではないけど興味深かった事をあと2つほど書きます。
犯人が車で線路を横切ろうとする直前に“Come on!”と言いました。
この状況で“come on”だと「来いよ」なので、線路の反対側に警察がいて“線路を渡るのにビビってるのか?捕まえられるもんなら捕まえてみろよ”のつもりで言っているならいいのですが、誰もいなかったので何に対して言っていたか不明です。
そして線路を横切る事は出来ずに乗り上げて動かせなくなると「ちくしょう。クソ、クソ、クソ!」と言っていましたが、その時こそ“Come on!”を使うべき。
自分が何かマズイ状況などに陥った時に「ちくしょう」や「マジかよ」という意味で“come on”を使う時があります。
次にケインさんが線路に乗り上げた車を持ち上げてアイクさんが運転席でアクセルを踏んでいた時の事。(というか、その状況だと車が動かせた時に危険じゃない?)
ケインさんは力込めて車を持ち上げようとした時に「ファイトー!」と言って、アイクさんがそれに答えるように何か英語で言っていましたが、聞き取れましたか?
彼は“One shot!”と言っていました。
つまり「1発」。
以前ケインさんがリポビタンDのコマーシャルでやっていた「ファイトー!」「いっぱーつ!」の再現だったんですね。
最初“One shot!”と聞いた時に、“なんで?チャンスが1回きりだから?”と最初はすぐにはわからなかったのですが、直後にリポビタンDのやつだとわかりました。
いかがでしたでしょうか。
今回のはおそらく字幕を作成した人の悪意のない間違いだと思います。
他番組の再現ドラマで言っている事と字幕がまったく違っていたり、事実と違う再現ドラマをたまに見かけます。
マスコミの存在は大変ありがたいし、私達の生活には欠かせない存在ですが、意図的なのはやめていただきたい。
んっ、ここで情報を発信している私もマスコミか?
私も気を付けよう。
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Have a great evening
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