ジョンベネ殺害事件を自供した男は「ジョンベネを脱がし」とは言っていない

おはようございます、Jayです。



最近再びジョンベネ殺害事件がニュースに取りざたされるようになりました。

と言うのも、「デイリーメール」が別の事件で収監中の男が高校の同級生宛てに送った手紙の中でジョンベネちゃんを殺害した事を自供したというのを報じたからです。


ジョンベネ殺害事件をご存知ない方もいると思いますので、簡単にどんなのか説明します。

ジョンベネ・ラムジーちゃんという美少女コンテストに優勝した事ある少女(当時6歳)が1996年のクリスマスの日に自宅で殺されているのが見つかりました。

両親を始めいろんな人が疑われて誤認逮捕まで起きましたが、いまだに真犯人は誰かわかっていない事件です。


今回の“自供”のニュースの内容が日本語にも翻訳されていましたが、そこに驚く誤訳があったのでご紹介します。(下線部分が誤訳)

英語:“I let her slip and her head bashed in half and I watched her die”

日本語:「ジョンベネを脱がし、頭を割って、死なせてしまった」


そもそも犯人の自供内容は“自分で手を加えた殺害ではなく事故死”。

しかし上記の日本語訳部分は犯人自身が手を加えたような記述なので矛盾しています。


“I let her slip”は「彼女を転ばせてしまった」と訳せますが、直接的ではなく間接的に転ばせてしまったというニュアンスです。

足を引っかけたりするのではなく、床が濡れているのにもかかわらず拭かずにいてその結果彼女がそこで転んだという感じ。


ではなぜ「ジョンベネを脱がし」という訳になったのか?

たしかに「(パッと)脱ぐ・着る」という時に“slip”を使う事があります。

ですがそれは“slip off/on”と“off”(脱ぐ)なのか“on”(着る)なのかないと意味がわかりません。

100歩譲って「脱ぐ」の意味を使っていたとしても、“let her slip (off)”なのでジョンベネちゃん自身が自分で脱いだ事になります。

今回の“slip”は「転ぶ・滑る」の方です。


「頭を割って」もちょっと変です。

これではこの男が頭何かで殴るなりした印象を与えますが、“her head bashed”(受け身)です。

彼女が自分で一人で転んだ結果に「頭を強く打ちつけた」がより適しています。

男がやったのなら“bashed her head”(能動)と書くはずです。


服役している男(児童ポルノ所持で10年)を擁護する気は一切ないのですが、ちょっとこの誤訳が酷いなと思ったので記事にさせていただきました。


犯罪の中でも児童に対する犯罪はもっとも酷いとアメリカで言われています。

そういう人が刑務所に行くとボコボコにされたり最悪殺される事もあります。

裁判所内で児童をレイプした罪で捕まった男が裁判官や警察官が見ている目の前で別の犯罪で捕まった男に頭突きをくらわすという映像を観ました。

すぐに警察官達が取り押さえましたが、頭突きした男はおとがめなしです。


こういう人達は運よく刑務所から出てこられても住む場所が限られ(しかも住所を公表される)、学校の近くに行けなかったりなど制限がある生活が待っています。

だからと言うわけではないのですが、児童が好きな人は犯罪に走る前に心療内科に行って助けを求めましょう。

心療内科や精神科にかかるのは何も悪い事でも恥じる事でもありません。

アメリカではうつ病などの病気にかかっていない人も普通に行きます。(プロの相談相手として)


ちなみに今回の自供騒動ですが、警察はあまり動きを見せていません。

他にもいる容疑者の一人に変わりはないそうですが、今の所は特に大きな動きはなさそうです。


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