おはようございます、Jayです。
ご存知の方も多いかと思いますが、保釈条件を破ってレバノンに逃げたカルロス・ゴーン被告が今夜会見を開きます。
この「逃げる」を英語で言うと“escape”(イスケィプ)や“flee”(フリー)などがありますが、今朝はこの二つの違いをやります。
“escape”=「(自由になるために)逃げる」
“flee”=「(危険な場所や状況から)逃げる」
ゴーン被告はまだ裁判前なので刑務所にいる受刑者達ほど自由を制限されていたわけではありませんが、“国外に行ってはいけない”や“妻と連絡を取ってはいけない”など(保釈条件として)ある程度行動が制限された状態にいました。
レバノンに逃げる事によってその状態から解放されます。
ですので“自由になる”ための「逃げる」が“escape”。
例:
“The hostage escaped from the house.”
「人質は(捕らわれていた)家から逃げた。」
今度は“flee”ですが、こちらもゴーン被告を例に見てみましょう。
彼は“司法の陰謀”を唱えていますが、これがもし本当だと仮定するなら彼には危機が迫っていました。
そのまま日本にいて裁判をすると不利益を被るかもしれません。
そんな“危険な状況から逃げる”時に“flee”を使います。
例:
“Ghosn fled to Lebanon for fear.”
「ゴーン被告は恐怖を感じてレバノンへ逃げた。」
いかがでしょうか。
ゴーン被告の視点からだと“escape”でも“flee”でもいけますが、検察の立場からだとゴーン被告を危険な状況に陥れたとは思っていないので“fled”ではなく“escaped”の「逃げられた」となるでしょう。
例:
“Ghosn has escaped the country.”
「ゴーン被告は国外へ逃亡した。」
こんな例もあります。
私の大学時代の友達のうち2人は生まれはアメリカではありませんが、共に幼少期辺りにアメリカに移住してきました。
というのも友達の祖国が当時内戦をしていて、国内に留まると危険と判断した親は家族を連れてアメリカに渡りました。
友達とその家族には“命を落とすかも”という危険が迫っていたので、間違いなく“flee”が使える状況です。
特に政府や軍から追われていたり行動を制限されていたわけではないですが、このままそこで生活していても“自由で安心な生活が送れない”という意味での自由を奪われていたと考えるなら“escape”も使えます。
カルロス・ゴーン被告を擁護するつもりは全くありません。
しかし彼が言うように(一般論として)日本の司法に問題があるとは私も思います。
特に人権部分。
罪を犯した人が懲役などの罰を受けるのは当然の事ですが、しかしその有罪か無罪かを決める裁判開始まで長かったり、それまでの扱いが基本的人権に反する事があるように感じます。
だからと言ってゴーン被告の逃亡が容認されるわけではありませんが、少しでもこの議論が起こる事を願います。
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